ドリームと私(渡邊 富美)

ドリームと私(渡邊 富美)

 平成24年の夏、大分県別府市に居た私は、武蔵野赤十字病院のホームページをアクセスしていました。この年の10月に東京へ引越しが決まっていて、これから先、どの病院に関わって行こうかと、迷いながらのアクセスです。

この時、初めて「ドリーム」の存在を知りました。3年前に大病を患い、体が思うように動かせない状態で、それでも、何かしたい・・・。

東京へ行ったら、コーラスができるかもしれない。

色々な想いを込め、赤十字を選び、ワクワクしながら時を待ちました。

 東京に着き、コーラスの練習風景が見られると言うことなので、恐る々、練習声が聞こえるドアを開けました。

目の中に、活き活きとした皆さんの姿が映り、私、大丈夫だろうか、腰が引けている自分が居ました。ちょうど、クリスマスの発表会前で、すごく、熱が入っているように思いました。「よかったら発表会、一緒に出演しませんか?」と、お誘いを受けましたが、とんでもない、そんな度胸が私にはなく、聴かせて頂く側に回ることにしました。

 クリスマスの発表会の日、皆さんが楽しそうで、来年は自分もステージに立っている、そんなイメージをしながら、命が欲しいと祈りました。

福川さんが、コーラスの皆さんは、病気を抱えての出演であると言うことを話されていて、驚きました。私、できるかも、ちょっと勇気が湧いた瞬間でした。

 次の年の1月から、入会をして、練習に加わりました。

何かをしている、自分が嬉しかった。

皆さんと話ができる、自分が嬉しかった。

たったの2時間ですが、やり遂げている自分が嬉しかった。

病気をする前、ごくごく、普通の暮らしをし、普通の体だったのに、全く違う生活を強いられ、数年が経ちました。家にこもりがちだった私が、自分自身のほんの少し前に出た一歩が、人生に潤いを与へ、明るかった自分へと取り戻してもらった気がします。

不思議ですね、心が癒やされ満たされていくと、体調が少しずつ良くなってくる感じがするのです。

 コーラスに入って、3年目になりました。月に1回の練習を楽しみに出掛けて行きます。

皆さんとも慣れ、やっとですが、多くの方々に支えて頂いてでの私なのだ、先生方、裏方を支えて下さる皆様。お忙しい中、ボランティアにも関わらず時間を作って下さり、本当に頭が下がる思いです。『感謝』の一言です。

 どうか、皆の想いが歌の響きとなり、聴いて下さる方々に、癒やしや勇気や感動となって届きますように。

そして、これから先、皆様、私も、幸多かれと祈ります。